2020年度に北海道指導林家として認定された厚真町幌内地区在住の農林業、黒川利道さん(83)への認定証交付式、21年度森と人を育てるコンクール(北海道森と緑の会など4者主催)で優秀賞を獲得した同町幌内自治会への賞状伝達式が24日、町総合福祉センターで同時に行われた。
道指導林家は、地域の模範となる林業生産活動を行うとともに人格・見識に優れ、林業後継者育成の指導活動ができる林業家を、道が市町村長の推薦により認定している制度。黒川さんは町内に14ヘクタールの森林を所有し、長年林業事業体で培った豊富な知識と経験を生かして森林施業を実践してきた。3年前の胆振東部地震で所有林の約半分は崩壊したが、残存林分の育成や崩壊地の森林再生を目指している。20年度は全道で7人、胆振管内では唯一認定された。
幌内自治会は、同コンクールの「カラマツ」部門で優秀賞を受賞した。同自治体が所有するカラマツは林齢37年生で、1ヘクタール当たり667本ある。平均樹高24・6メートル、平均直径26・5センチで、審査基準を上回る良好な成長ぶりを評価された。
認定証の交付と賞状の伝達は胆振総合振興局森林室の中村喜裕森林室長によって行われ、認定証を手にした黒川さんは「これからも山林の持つ多面的機能を、地域の皆さんに提供させていただく。被災した山林でかつての四季折々の景色を見せられるように頑張っていきたい」と気持ちを新たに。同自治会の大原博会長は「今後とも賞に恥じない森づくりをしていきたい」と話した。
伝達式に同席した宮坂尚市朗町長は「道と厚真町が手を取り合って、被災森林を早い時期に何とか回復させたいと思っている。豊かな森を取り戻していくためにお力添えを」と協力を呼び掛けた。