厚真町スポーツ少年団連絡協議会主催の「新しい青少年スポーツの在り方を考える」と題した講演会が21日、町総合福祉センターで開かれた。北翔大学生涯スポーツ学部スポーツ教育学科の川西正志教授が講演し、町民が学校における部活動の地域移行化について考えた。
川西教授は中央教育審議会や日本スポーツ協会などのデータから、子どもの体力・運動能力が低下傾向にあることや、運動離れが進んでいることなどを伝えた。加えて、(少子化などで)チームを学校単位で編成できないため、合同チームが増えていることや、(部活動の指導で)学校教員の負担が増え、授業や生徒指導など本来の仕事のために費やす時間がなくなっていることも指摘。「今までは学校の先生方のおかげで日本のスポーツは頑張ってこられたが、これからは地域でスポーツや競技環境を考えていかなければいけない」と説いた。
また、学校の働き方改革を踏まえた部活動改革として、2023年度以降に休日の部活動を学校教育から切り離し、地域に移行していく流れにあることを説明。▽学校教員の参画と地域団体との教育連携▽団体運営の組織化▽指導者の質担保▽休日の労務管理―など解決すべき課題にも言及し、「(部活動改革が)子どものスポーツを地域で管理し、一元化していくきっかけになることを期待している。厚真町の子どもの将来に向けて、考えを出していく時ではないか」と語った。
講演会には、町内のスポーツ少年団指導者や保護者、学校教職員ら約30人が参加し、今後の青少年スポーツの課題や在り方に理解を深めた。