白老町の2021年度上期(4~9月)の観光入り込み客数は94万6137人となり、前年度同期比で5・6%ダウンした。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が2度にわたり発令された影響などで、日帰り客が大きく落ち込んだ。上期比で前年度を下回ったのは18年度以来。
上期の宿泊客数は2万9868人で、前年度同期比3・6%アップの1027人増。一方、日帰り客数は91万6269人で、同5・9%ダウンの5万7530人減となった。宿泊と日帰りを合わせた入り込みの全体数は、前年度同期に比べ5万6503人減少した。
日帰り客の減少は、新型コロナの影響が大きい。感染者の急増で政府は、5~6月と8~9月の2度にわたり緊急事態宣言を発令。これに伴い、日帰り客数を押し上げてきたアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)をはじめ、観光スポットの各施設が休業を余儀なくされ、入り込み全体の減少につながった。
一方、宿泊者数については前年度同期を上回る結果に。コロナ禍でも楽しめるアウトドアの人気が全国的に高まり、白老町内の民間キャンプ場などの利用も好調だったことが背景にある。
地区別で見ると、虎杖浜温泉地区(竹浦・虎杖浜)の入り込み数は36万2553人で、前年度同期より3万8520人減った。新型コロナ感染拡大の影響で、日帰り温泉ホテルや飲食・土産物店の利用客が落ち込んだ。また、白老地区(社台~北吉原地区)は58万3584人となり、前年同期比で1万7983人減に。ウポポイ見学や町内で体験行事を予定していた学校の修学旅行が中止、延期されるなど、白老地区も新型コロナの影響を大きく受けた。
外国人観光客の入り込みについては、宿泊客が5人(前年度同期比32人減)、日帰り客が83人(同94人減)。新型コロナ感染の世界的流行に伴う渡航規制や、飛行機の国際定期便運休などで極端に少なかった。
観光入り込み客数は、ウポポイPRによる白老の知名度向上などで近年伸びていたものの、今年度上期はコロナ感染急拡大の影響が大きく、町の担当者は「特に7~9月のマイナスが目立った」と言う。しかし、10月以降の下期は感染の落ち着きや、町の誘客事業「ウエルカムしらおいキャンペーン」の展開などで入り込みが増え、町や事業者も観光需要の回復に期待を寄せている。