14日のむかわ町議会定例会で、町長選(来年3月15日告示、同20日投開票)への立候補を正式に表明した竹中喜之氏(68)。胆振東部地震からの復旧・復興、新型コロナウイルスの感染拡大により影響を受けた地域経済の活性化など、未来へつなげるまちづくりを自らの手で進めたいとの強い思いが、3選出馬への決断を後押しした。
この4年間を振り返ると、2期目を迎えて半年足らずの2018年9月に町全域を襲う大地震に見舞われ、自宅をなくした被災者の住まいの再建、空洞化したまちなかの再生を迫られた。その途中、昨年からは流行するコロナ禍による地域経済の立て直し、穂別地区の高齢者施設で起きたクラスター(感染者集団)の対応にも追われた。震災前8000人以上いた人口は11月末時点で7600人を下回った。
2期目について竹中氏は、地震やコロナ禍による人口減少、地域経済活力の衰退などを最優先課題に位置付けて対応してきたと説明。災害により強いまちづくりを含め、向こう10年の指標となる「第2次まちづくり計画」を今年度からスタートさせ、「大きな変化に対応した新しいまちづくりの歩みを始めているところ。徐々にだが、取り組みの効果が表れている」と実感を述べた。
その一方で観光、農林漁業、商工業、高齢者の健康づくり、まちなか再生については「目指している創造的復興、創生の実現にはまだまだ道半ば」とも。「人、もの、こと、財源、情報のリソースを最大限に有効活用しながら、さらに持続可能な行財政運営が重要になっている」と認識する。
「町民の皆さん、議員、職員の踏ん張りと頑張り、町内外の皆さんに支えられ、試練と困難、変化の4年間に向き合ってきた」と振り返る竹中氏。「直面する課題を体得の機会として捉えながら今を乗り切り、その先につなげる。まちづくりのキーワードでもあるさまざまな『つながる』を改めて意識し、誠心誠意、町政運営に全力を注ぎたく、来春の選挙に挑戦させていただく」と決意を新たにした。
町長選への出馬表明は竹中氏が最初で、現時点で他に立候補の動きはない。