安平町内で移住して起業を目指す人を発掘する「Fanfare(ファンファーレ)あびら起業家カレッジ」の最終プレゼンテーションが11日、JR追分駅前のコミュニティースペース「ENTRANCE(エントランス)」で開かれた。町内外から応募した4人が登壇し、ゲストハウス開業や音楽事業、飲食経営などそれぞれが事業構想をアピールした。
起業家カレッジは、町内を舞台に新しい働き方や起業、事業創出にチャレンジする人材を掘り起こす新規プログラムとして、町が今年度から始めた。事業構想案をプレゼンで発表し、認められた場合は実現に向けて町が支援する。
構想案は、町内での起業検討者を対象に春先から募り、11月のプレゼンには7人がエントリー。町内で企業経営者らと意見交換をして完成度を高め、4人が最終的な計画を持ってこの日に臨んだ。
東京都在住のピアニスト、浅野紀水さん(41)は地域イベントなどでの出張演奏や音楽教室、道の駅での定期的なライブ開催を提案。同じく都内在住の飲食店経営、浅野浩司さん(41)は地元食材を使ったスイーツを提供するカフェの開業について発表したほか、農家の手伝いや食事なども一緒に行い「町民との信頼関係を築きたい」と語った。このほか、若者をターゲットにしたゲストハウスの開業や連泊滞在型の施設を用意し、町内を拠点に道内を巡ってもらうアイデアが発表された。
町は年内にも合否を決定。通過者は地域おこし協力隊などとして採用され、町の支援を受けながら事業実現に向けて準備を進めていく。及川秀一郎町長は「町として不十分な部分、無いものを補って余りある提案をしていただいた」と評価。町地方創生アドバイザーでまちづくり会社「FoundingBase」(ファウンディングベース)の林賢司代表取締役CCOは「皆さんの活動、アイデアが安平町に結び付いていて、ワクワクしている。明るい未来に向けてコミュニティーを一緒につくっていけたら」と期待を寄せた。