鵡川高校吹奏楽部が、2021(第27回)日本管楽合奏コンテスト全国大会・高校S部門(3~15人編成)で2年連続、最優秀賞に輝いた。今大会出場校中、最少人数となる部員7人で力強い演奏を披露し、部長の渡邉こはねさん(18)=3年=は「コロナ禍で部活動の時間が短くなる中、いい音楽を作り上げるためにみんなで協力した成果です」と喜びを語った。
全国大会は、公益財団法人日本音楽教育文化振興会が主催。同部門には予選審査を通過した全国の20校が出場し、新型コロナウイルス感染症対策のため、昨年同様、事前に動画を撮影して提出する方式で11月20日に配信、審査が行われた。
4年連続出場の鵡川高は江原大介さん作曲の「深淵の園」を演奏。部員の中でも3年生4人にとっては高校生活最後の大会とあって「賞を取りたい」という一方、プレッシャーもあるチャレンジとなった。
今年は道内に2度発令された緊急事態宣言などで、部として活動できない時期が長く続き、部員が自宅に楽器を持ち帰って自主練習するなどで楽器に触れる時間をつくった。また予選では会場を確保できなかったため、音響が十分とは言えない学校の体育館をやむなく使い、動画を収録することになったという。それでも全国大会本番では、審査員から「7人とは思えない」と高い評価を受けるほど、質の高い演奏を披露。顧問の青野貴文教諭も「7人で力を出し切った」と努力をたたえた。
3日に町役場を訪れた渡邉部長は、入賞を報告するとともに「私たちを応援してくれる町の皆さんのおかげで満足の演奏ができた」と感謝の言葉を伝えた。竹中喜之町長は地元高校生の明るいニュースに、「(今後も)皆さんの演奏に、仲間はもちろん、たくさんの人が癒やされることを願っている」と顔をほころばせた。