国の特別天然記念物になっている「タンチョウ」の生息数を数える北海道の2021年度第1回タンチョウ越冬分布調査が3日、全道40市町村約300カ所で一斉に行われた。むかわ町の自然保護団体「ネイチャー研究会inむかわ」(小山内恵子代表)が調査に参加し、同町では同団体の内部組織「むかわタンチョウ見守り隊」(同代表)の隊員などが飛来情報を頼りに車で巡回し、成鳥1羽を確認した。
「ネイチャー研究会」の会員は、むかわ町と近隣自治体におり、調査には10人ほどが参加した。
むかわ町では、「見守り隊」の隊員と胆振総合振興局の職員らが、午前8時ごろから、各自車で調査して回った。あいにくの雨模様で発見は困難と思われたが、町内田浦の農地で雌の成鳥1羽を目視で確認した。
日高町内では、「ネイチャー研究会」の会員が、むかわ町から移動したとされる親子4羽を含む計7羽を確認。苫小牧市内では、2羽を見たという情報を寄せた。
調査は絶滅危惧種とされるタンチョウの越冬分布・規模の把握などを目的に毎冬2回行われ、調査結果は全道分を取りまとめ、12月下旬から来年1月上旬に公表される。従来、タンチョウは道東で数多く見られるが、胆振総合振興局・環境生活課自然環境係の担当者は「年々飛来地が拡大しており、生息範囲が広がっている。長沼町(空知管内)でも初めて観察ができるのではと内部で話が出ている」と話している。
2回目の調査は来年1月中に予定している。