厚真町教育委員会は、厚真、厚南の両地区にある学校運営協議会(コミュニティー・スクール)にワークショップを取り入れるなど新たな動きを進めている。学校と地域住民が膝を突き合わせて意見交換する場を設けることで地域の理解や互いの関係構築を狙い、町で行っている「ふるさと教育」などの充実につなげたい考えだ。
町内では、厚真中央小学校と厚真中学校のある厚真地区、上厚真小学校と厚南中学校のある厚南地区ごとに学校運営協議会が存在。これまでは学校側が保護者や地域住民に現状や課題を発信する形式的な内容が主だった。また、昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、学校と保護者の結び付きの希薄化なども懸念されていた。
こうした流れを受け、より地域を巻き込んだ取り組みに発展させようと、25日夜、上厚真小で開かれた厚南地区の協議会でワークショップを試行的に実施した。上厚真小、厚南中、宮の森こども園の職員や保護者、地域住民ら合わせた15人が参加し、3グループに分かれて町の小中一貫教育で目指す「厚真の未来を語れる子」をテーマにワークショップを展開。「人を笑顔にできる」「不十分さにも気付ける」「やっぱり人だよね」―。参加者全員が声を上げることで多くの意見が集まった。上厚真小の釜田英夫教頭は「コミュニケーションを図ったことで、お互いに気持ちが通じ合ったのでは」と実感を語った。
町教委では今後、厚真地区でもワークショップの導入を検討。担当者は「ぼんやりとしたゴールを明確にしていく。それぞれから出てきた思いを確認して、厚真の未来にどう結び付けていくか。(町教委として)こういう場をどんどん仕掛けていきたい」と話していた。