白老町は、町立特別養護老人ホーム寿幸園(町東町4)を来年4月1日から民営化する方針だ。特別養護老人ホームの経営は民間の社会福祉法人が担う事例が多い中、町も行財政改革の一環で民営化を図る。寿幸園の移譲先は、指定管理者として運営してきた実績を踏まえて社会福祉法人天寿会とし、施設を無償譲渡する考えだ。
民営化については、26日の町議会全員協議会で町が説明した。
寿幸園は1971年に胆振日高地方で初の特別養護老人ホームとして町が開設した。公設公営の形態で町が経営し、2007年に町総合保健福祉センター横へ移転改築した際、指定管理者制度を導入。町内で高齢者施設などを運営する天寿会を指定管理者とした。
現施設は鉄筋コンクリート造り平屋建て(延べ床面積約3000平方メートル)。定員は60人(短期入所含む)で、天寿会の運営の下、入所者が介護サービスを受けている。
特別養護老人ホームの経営形態は全国的に公設公営から民設民営へと大きく変わり、社会福祉法人が設置運営する事例が多い。道内の499施設の9割(453施設)を社会福祉法人が直営している。胆振管内でも39施設のうち、自治体設置の施設は白老町の寿幸園のみだ。
こうした状況を踏まえ、町は行財政改革の一環で寿幸園の民営化を検討。指定管理者として長年、安定的に運営してきた天寿会に特別養護老人ホーム事業を移譲する方針を固めた。施設は天寿会に無償で譲渡し、敷地については無償で貸与する形とし、今後、天寿会側と協議を進める。
移譲に当たっては、07年の改築整備で借り入れた公営企業債約7億円のうち、返済残高が約2億5000万円あることから、町は今年度中に基金などを活用して繰り上げ返済を行うという。