厚真高校ボランティア部は16日、部員たちが朗読した童話や物語を収録したCDを厚真中央小学校に寄贈した。同部が小学生に朗読CDをプレゼントするのは初めて。田中しずく部長(16)=2年=は「今は黙食と聞いているので、CDを聴いて給食の時間が少しでも楽しくなれば」と部員たちの思いを語った。
CDは、イソップ童話「ウサギとカメ」など6作品を収録した低学年用と、アンデルセン童話「はだかの王様」など3作品を収めた高学年用の2枚。同部の部員6人が、何度でも飽きずに聞けるような作品を選び、役ごとにせりふを吹き込んだ。
同校では従来、読み聞かせボランティアが活動しているが、新型コロナウイルスの流行で活動を中断しており、児童が本や物語に触れる機会が減っている。このため、給食時間などに放送で児童たちに物語を聞かせたいと、小学校側が厚真高ボランティア部に朗読CDの制作を依頼していた。
田中部長と共に小学校を訪れた副部長の川上暖さん(17)=2年=は「CDを聴いた時に感じた純粋な気持ちを楽しんでもらいたい」、大清水健斗さん(16)=1年=は物語の中に出てくる登場人物の行動を取り上げ「周りにどういう影響が出ているか関心を持って聞いてほしい」と話した。
児童代表で受け取った同小児童会プロジェクト委員長の堀田桜来君(11)=6年=は「(CDの中身が)楽しみ。今後、自分たちが音読する時の参考にしたい。みんなに本の良さも知ってもらいたい」と言い、副委員長の丸山さくらさん(12)=同=は「本の読み方に興味を持っていた。自分たちと高校生で、表現の仕方がどう違うのかを感じたい」と目を輝かせていた。