「鵡川ししゃも」のブランドで知られる鵡川漁業協同組合の今季のシシャモ漁が記録的不漁に終わった。同組合の厚真支所と合わせた総漁獲量は1・4トン程度となり、記録が残る1998年以降で最低だった昨年の約3トンからさらに半減した。関係者は「これだけ資源管理をしている中で落ち込んだことはない」と危機感を募らせ、研究機関による調査を注視している。
今季のシシャモ漁は、10月4日にスタート。今月1日まで続けた。この間、波の影響で中止した日も多く操業日数は昨年の21日間より少ない計13日にとどまった。多い日には計21隻が出港したが、1トン以上を水揚げした日は昨年同様に1日もなかった。総額は約790万円と前年を700万円ほど下回り、一方で1キロ当たりの平均単価は5543円と前年を500円以上も上回った。
期間中の動向を見ていくと、初日から低調に推移し、最も水揚げが多かった10月12日でも、229・9キロにとどまった。同漁協によると、漁期最後の1週間で全体のおよそ6割を占めることもあるが、まとまったしけの影響もあり、26日から31日まで休漁。その後も漁獲量の改善が期待できなかったことから、資源保護を目的に今月1日を最後に打ち切った。
同漁協の小定雅之専務理事は「確実に漁獲量は減っており、取れなくなるほど希少性は上がり、縁遠くなってしまう」と今後の消費者離れを懸念。来年以降も大幅な回復の見通しは立っていないが、「(漁獲量を)少しでも上向かせるために早期に切り上げた」と説明。回復を願いつつ、道立総合研究機構栽培水試(室蘭市)による不漁に関する調査に関心を寄せている。