第74回秋季北海道高校野球大会は1日、札幌円山球場などで1回戦4試合が行われた。駒大苫小牧はクラーク国際に1―4、苫小牧中央は滝川西に0―5で敗れた。ミスや動きの硬さから力を発揮できなかった初戦での敗退に、両校ナインから悔しさがにじみ出た。
▽1回戦
クラーク国際
000300100=4
000000001=1
駒大苫小牧
(ク)山中―麻原
(駒)中西、伊藤―田中
(三)新岡(ク)
(二)山中(ク)橋本(駒)
クラーク国際 308140
打安振球失
駒大苫 305551
駒大苫は四回に守備の乱れなどから3点を献上。九回に押し出しでようやく1点を返したが後続が凡退した。
苫小牧中央
000000000=0
10020020X=5
滝川西
(苫)斉藤、西村―上野、水島
(滝)菅原、斉藤、吉目木―兵庫
(三)北(滝)
(二)岩崎、浅野2、兵庫(滝)
苫小牧中央 3610012
打 安振球失
滝川西 29 7351
苫小牧中央の先発斉藤は5本の長打を許すなど5失点。打線は2桁安打したが好機を生かせず得点できなかった。
遠 軽
00010=1
3181X=13
札幌国際情報
(五回コールド)
(遠)葛西、市川、葛西、伊藤―坂巻
(札)三浦隼、三田村―三浦翼
(本)尾崎(札)
(三)小森(遠)尾崎(札)
(二)佐藤(札)
白樺学園
012050010=9
021000100=4
帯広工業
(白)西村、両角、石上、植木―中島
(帯)瀧上、市岡―深田
(本)金丸(白)
(三)後藤(白)
(二)大宮2、後藤(白)
攻守に硬さ 力出せず
九回に意地の1点
駒大苫
駒大苫小牧は攻守に本来の力を発揮できなかった。支部予選で打率3割6分以上と好調だった打線は、相手左腕の山中(2年)に散発の5安打。予選3試合で失策なしと堅守を誇った守備は記録にはならない細かなミスが多かった。
夏までの前チームから出場経験が豊富なのは、田中主将(2年)、4番の橋本(同)など。道大会は初めての選手が多く「動きが硬かった。打球処理にもう一歩が出なかったり、スイングのタイミングが早くなっていた」と佐々木監督。
一方のクラークは登録メンバーの半数近くが夏の北大会を経験。ピンチを迎えても動じない安定感があった。
この試合、唯一の複数安打を放った橋本は「もう一つ落ち着いてプレーできていたら」と悔しがる。
九回に意地は見せた。相手投手の制球難に乗じて満塁まで詰め寄って押し出しで1点を返すなど、勝機をつかみかけた。橋本は「九回の攻撃が自分たち本来の姿。それを初回からできるようにしたい」と前を向いた。
2年木村 ひとり気を吐く
苫中央で3安打の活躍
苫小牧中央が拙攻に泣いた。走塁、バントミスからリズムを崩し、チャンスでの一押しもなかった。先発したエース斉藤(2年)は制球に苦しんだ。
斉藤は課題としていた初回に先制点を許すと、流れをつかめないまま小刻みに失点を重ねた。変化球の制球が定まらず「ストレートに的を絞られ、甘い直球を捉えられた」(斉藤)。冬期間は「変化球の精度を鍛え直したい」と再起を誓った。
打線は10安打しながら斉藤を援護できなかった。7番木村(2年)が3安打の活躍、チームとしても3回の連打があったがホームは遠かった。
斉藤は「自分のピッチングが攻撃のリズムをつくれなかった」と悔やんだ。上野主将(2年)は「チャンスで打てないのは気持ちの問題。精神的な成長も含めて、チームを一つ上のレベルに引き上げていきたい」と気持ちを新たにしていた。