第103回全国高校野球選手権大会南北海道大会は17~27日、札幌円山球場で開かれた。2年ぶりの甲子園出場を懸け、16チームが熱戦を繰り広げた。室蘭支部代表の北海道栄は準決勝で優勝した北海に惜敗。駒大苫小牧と苫小牧中央は初戦で敗れた。東胆振3校の奮戦を振り返る。
春の道大会準優勝の北海道栄がベスト4。エース小沼快登(3年)が3試合を完投。北海戦では17安打を浴びたが、四死球は1。高い制球力を見せた。小沼は「高めなどを使って打ち取れた」と北海打線に善戦した。
打線は北海の主戦・木村大成(3年)の直球とスライダーに苦しんだが、6番奥山陸也(同)と8番上阪吏輝(同)がマルチ安打を放つなど下位打線が好調。糸瀬直輝監督は「少ないチャンスを生かしてくれた」と評価。一方で五、六回で三者凡退、「中盤で甘い球に手が出なかったのが痛かった」と振り返った。
駒大苫小牧は初戦で立命館慶祥に4―11のコールド負け。投手陣が中盤から崩れ、立て直せなかった。先発の石橋利久(3年)は二、三回を三者凡退でかわしたが、1点ビハインドの五回、2死から打たれた本塁打を皮切りに3連打を浴びて3失点。中盤からは立命館打線の勢いを止められなかった。
打線は「打っているようでつながっていない」(佐々木孝介監督)状態が終盤まで続いた。残塁は12。好機での一本が出ず、予想外の乱打戦に対応できなかった。
苫小牧中央は北海に2―4で惜しくも敗れた。投手陣が好投して接戦に持ち込んだ。2番手、池翔空(3年)が5回3分の2を投げて被安打3、無失点の粘投だった。二回までに4点を奪われた北海打線に追加点を許さなかった。
打線は北海の木村に2安打に抑え込まれた。渡邊宏禎監督は「木村投手の直球を狙ったが、切れのあるスライダーに手が出てしまった」と語った。