第103回全国高校野球選手権大会南北海道大会室蘭支部予選第5日は6月30日、とましんスタジアム=苫小牧=でBブロック2回戦2試合が行われた。浦河が室蘭清水丘に延長十一回の末、5―4でサヨナラ勝ちし、ブロック代表決定戦に進んだ。北海道栄は3―2で伊達緑丘に競り勝ち同決定戦に進出した。
▽Bブロック2回戦
伊達緑丘
000001001―2
01200000X―3
北海道栄
(伊)越橋―長尾
(北)小沼―奥山
?中村、遠藤、越橋(伊)川越(北)
室蘭清水丘
010001002
000000400
00 ―4
01x―5
浦 河
(延長十一回サヨナラ)
(室)久保―太田
(浦)下向、山岸尚―別所
?別所(浦)
?榎本、久保(室)
―浦河、快進撃止まらず
2試合連続のサヨナラ勝ちで「浦河劇場」が止まらない。延長十一回の激闘の末、室蘭清水丘に粘り勝った。
2点ビハインドの七回、四球による押し出しで1点を返した後の1死満塁で、1番の別所主将(3年)が右中間への三塁打で走者を一掃。一気に逆転に成功した。3安打猛打賞の別所主将は「下位の2年生が走者をためてくれたので、何としでもゲームを動かしたい思いだった」と語った。
しかし九回に追い付かれて延長戦に。十一回裏、2死二塁で9番松田晴(2年)の内野安打の間に7番吉津(同)がホームに滑り込んだ。二回にエラーをしていた松田は「ミスをカバーできるのはここしかないと思って打席に立った」と振り返った。
「疲れました」。阿部監督は延長十回で伊達開来に勝利した27日同様、試合後の取材の開口一番にこう述べた。スローガンに掲げてきた「粘り勝つ野球」を見事に表現して見せた浦河ナイン。「前の試合よりもはるかに厳しい劣勢の中でも粘りに粘ってくれて、選手の成長を感じられた」と納得の表情で語った。
―道栄、投手戦制し代表決定戦へ
北海道栄の先発小沼が完投勝利を挙げた。伊達緑丘打線に長打3本を含む被安打6を許しながら決定打を与えない投球で、手に汗握る投手戦を制した。
決め球のスライダーを低めに集めて11奪三振。ただ六回以降は長打を浴びるなど得点圏に走者を抱えるピンチが相次いだ。2点リードで迎えた最終回には1死から二塁打を含む連打で1点を献上したが、焦りはなかった。「力まずにコントロールを意識して投げた」と続く打者2人を抑えて大接戦に終止符を打った。
今大会は昨年の秋季大会以来の背番号1を背負って臨む。「一番調子がいい投手に着けさせる」(糸瀬監督)との方針の下、チームの大黒柱を引き受けた。「1を着けるからには全試合全力で投げる」と小沼。代表決定戦に向けては「完投するつもりでマウンドに上がる」と力強く語った。