第103回全国高校野球選手権大会南北海道大会室蘭支部予選第3日は28日、とましんスタジアム=苫小牧=でCブロック1回戦2試合が行われた。静内が室蘭工業に12―0で五回コールド勝ち。苫小牧西・白老東・富川・えりもは室蘭栄に0―10で六回コールド負けした。
▽Cブロック1回戦
静 内
20343―12
00000―0
室蘭工業
(五回コールド)
(静)吉原、山田―角
(室)石垣、石原―中島
?角(静)髙橋永(室)
苫西・白東・富川・えりも
000000 ―0
022501x―10
室蘭栄
(六回コールド)
(苫)中村、大西―佐々木
(室)住吉、小野―佐々木、関川
?一戸、小倉迪(室)
?髙橋峻、小倉迪(室)
―静内、春の悔しさぶつける
静内が室蘭工業に12―0のコールド勝ちで2回戦に進出した。春季大会で不戦敗した悔しさをぶつけた。高橋監督は「苦しい中でもチームがまとまって明るくプレーしてくれた」とメンバーの奮闘をたたえた。
5月の春季大会支部予選では準決勝まで勝ち上がったが、学校事情による出場辞退で不戦敗となった。選手が知ったのは試合前日の夕方。目から悔し涙があふれた。高橋監督は「生きていればいろんなことがあるけど、悪いことも次にどう生かすかが大事」と声を掛けた。
監督の言葉を受け、メンバーが奮起し、今月上旬から練習を再開。内野手の小林主将(3年)が「小技やチャンスで打つためのメンタルトレーニングにも取り組んできた」と話すように、スクイズや巧みな走塁、適時打で猛攻を仕掛けた。
6安打ながら次の塁を積極的に狙う走力が得点を呼び込んだ。高橋監督は、静内が競走馬の産地であることを引き合いに出し、「競走馬のように走るのがチームカラー。次も静内らしく勝ちたい」と語った。
―合同、チーム一丸、全力尽くす
室蘭栄に六回コールド負けを喫した苫小牧西・白老東・富川・えりもの合同チーム。打線はわずか2安打にとどまり、本塁を踏むことはできなかった。
試合当日の朝、外野手の松山主将(3年)のもとに北海道日本ハムの投手根本(苫小牧中央高卒)からLINEで激励のメッセージが届いた。白老白翔中時代の先輩からのエールはチームの雰囲気を盛り上げた。松山主将は「チームが一段と引き締まった」と振り返った。
高い士気で臨んだ試合だったが、室蘭栄の先発住吉の直球と切れのあるスライダーに苦しんだ。住吉から唯一安打を放った外野手の鎌田(2年)は「狙い球をストレートに絞った」と話した。
チームは東胆振と日高の広範囲にわたる高校で構成。厳しい条件に新型コロナウイルスが追い打ちをかけた。全体練習は大会直前の4回のみ。齋藤監督は「3年生を中心にいいチームワークで頑張ってくれた」と評価。松山主将は「チームとして目標を統一して挑むことができたので悔いはない」と晴れやかな表情を見せた。