札幌国税局は23日、2020年分確定申告において、ICT(情報通信技術)を活用した申告などのデータ引き継ぎにより行政事務(税務行政)の効率化が顕著だったとして、安平町に国税局長感謝状を贈呈した。同国税局の高橋英樹個人課税課長が町役場を訪れ、及川秀一郎町長に賞状を手渡した。
ICTによるデータ引き継ぎは、地方公共団体に納められた所得税や復興特別所得税の確定申告書を電子申告で税務署に引き継ぐ仕組みで、17年から行っている。申告書のデータ送信では▽還付金の早期還付▽生命保険料控除証明書などの添付省略―といった納税者の利便性が図られるほか、行政、税務署の事務量削減といったメリットがあり、住民サービスの向上と業務の効率化が同時に期待できるという。
苫小牧税務署によると、同国税局からの感謝状贈呈はデータ引き継ぎが90%以上、または1000件以上あることが基準。安平町は昨年の確定申告において、約95%に当たる832件の引き継ぎをデータでしている。近隣では昨年、むかわ町が1000件を超える電子データの引き継ぎを行い、感謝状を受けた。
高橋課長は「データ申告を積極的に行っていただき、感謝している。新型コロナウイルス感染症対策にも効果があり、引き続きご協力をお願いします」と呼び掛けた。感謝状を受け取った及川町長は町内全域で光回線の整備やキャッシュレス化を進めていることを説明し、「アフターコロナに向けた機運の後押しになれば」と話していた。