北海道学生野球連盟1部の北洋大に所属する高橋飛雅(3年)=札幌日大高卒=、玉置真都(1年)=長野松本国際高卒=両外野手が、4~5月に道内各地で行われた春季リーグの各種個人賞に輝いた。共に大学年代初のタイトル獲得を喜ぶ一方、チームは3位で全日本大学選手権(東京)切符を逃した。秋季リーグでの雪辱を誓いながら、それぞれ技量向上の日々を送っている。
今春季リーグには北洋大をはじめ道内6大学が出場。2回戦総当たりを繰り広げ、9勝1敗で東京農業大北海道オホーツクが優勝した。北洋大は部員23人と少数精鋭ながら終盤まで頼もしく優勝争いを演じ、6勝3敗1分けの3位と健闘した。
中堅手として全試合にレギュラー出場した苫小牧市出身の高橋は、外野手部門のベストナインに選出された。「大学4年間で個人賞なしに終わるのだけは嫌だった。安心した」と笑みをこぼす。
伊藤大海投手(現プロ野球北海道日本ハム)らを擁し昨年の秋季リーグを制した前チーム時も主力だった。当時は一塁手を担った同期の成田登夢主将(3年)がベストナインを獲得。「悔しかった。次は自分が」と発奮材料にしてきた。
俊足を生かした守備範囲の広さや打球判断の良さなど抜群の守りでチームを支えたのはもちろん、2年連続で1番打者を担い打率3割超え。リーグ開幕2週間前にタイミングの取り方を変えたことが奏功し、7試合連続安打を記録するなど安定感があった。
それでも本人は「チャンスで打てなかった」と反省点を口にする。特に各試合前半の好機を物にできていないことを挙げ、「秋は最初からスイッチを入れて打席に立ちたい」と言う。
玉置は進学わずか1カ月足らずで挑んだ大学舞台で、新人賞と指名打者部門のベストナインの2冠をつかんだ。「試合に出させてもらえること自体がうれしかった。運が味方してくれただけ。びっくり」と目を丸くする。
ハイライトは春季リーグ初戦の対北海道教育大旭川(4月24日、とましんスタジアム)で放った2点適時打。チームはその2点を死守し2―1で勝利。オープン戦6連敗の呪縛を解くことができたのは大きかった。
ただ、リーグ後半で対戦した函館大、東農大の実力豊富な投手陣には苦戦。最終試合ではスターティングメンバーからも外れた。「球速、変化球のきれ、制球力、すべてのレベルが違った」と悔しがる。
秋に懸ける思いは人一倍強い。同じ右翼手として日々の練習から面倒を見てくれる高杉大夢(4年)と共に野球ができるのも、秋季リーグで最後だからだ。「高杉さんと一緒に全国大会に行きたい」と意気込む。
大滝敏之監督は「素質は十分ある。個人賞受賞をきっかけに、より成長してほしい」と期待を込めた。