アジアリーグアイスホッケー・レッドイーグルス北海道のFW彦坂優(26)が3日、チームの全体練習に合流した。小学生の頃に苫小牧でプレーし、11歳でアイスホッケーの本場カナダに単身競技留学するなど国際経験豊富な有望株。「幼い頃から見てきた不動の強豪に入団できて、とても光栄。持ち味のシュート力を生かして活躍したい」と意気込んでいる。
合流初日は苫小牧市内で行われた2時間ほどのトレーニングに汗を流した。練習パートナーは今季から副主将に就任した中島彰吾(27)。「『彦、やろうぜ』と気さくに声を掛けていただいてうれしかった。新しい仲間と一緒にトレーニングができて刺激になった」と笑みをこぼす。
東京都生まれ。小学1年時に始めたアイスホッケーのとりことなり、2年時に「競技を本格的にやるなら苫小牧」と移住した。一時は札幌でもプレーし、「苫小牧時代は大澤勇斗さん(27)や高木健太さん(同)、札幌時代は越後智哉さん(28)たちとよく対戦した」と言う。
澄川小6年生だった2006年夏の全国選抜サマー大会では苫小牧選抜の主将を担った。その後、親の勧めでカナダに単身留学。オーストリア、ドイツなど欧州にも渡り競技力を磨いた。
特に「どの選手にも勝てる自信がある」と豪語するシュート力にはこだわった。単なる筋力強化ではなく、フォームなど体の使い方によって速いシュートを生み出すすべを体得。16年から5季在籍した栃木日光アイスバックス内ではもちろん、レッドイーグルスの菅原宣宏監督も「彦坂のシュートは本当にすごい。出てくると嫌な選手だった」と言うほどだ。
背番号は日光時代の「86」から「16」に変えた。駒大苫小牧高卒業後の2002年~13年に前王子イーグルスで主将などを担い、現在は日光の選手兼アシスタントコーチを務める齊藤哲也(37)がかつて背負った番号。日光在籍時に「公私共に面倒を見ていただいた哲也さんへ、リスペクトの気持ちを表現した」と言う。
レッドイーグルス入団が決まった際は真っ先に報告し、祝福の言葉をもらった。「哲也さんは目指すべき選手であり、超えるべき選手」と彦坂。クラブ化し新時代を歩みだしたチームのエース候補として期待が高まる。