アイスホッケーアジアリーグのジャパンカップで優勝を決めている王子イーグルスが27、28両日、本拠地白鳥王子アイスアリーナ=苫小牧市=で横浜グリッツとの今季最終戦に臨む。1926年の同好会「王子イーグル」誕生から95年。実業団としての歩みは氷都でいよいよ締めくくりを迎える。菅原宣宏監督は「思い切りプレーしてほしい」とベンチ入り選手フル活用の総力戦を構想している。
日本一の座をつかんでも、一戦必勝の構えを崩すことはしない。栃木日光アイスバックスとの東京連戦後は、2日間の休みを経て24日から練習を再開。「いつも通りのルーティン。厳しめのトレーニングも淡々とこなせている」と監督は言う。
「喜んだのは優勝を決めた20日の一瞬だけ。チームの雰囲気は変わらずいい状態」と話すのはDFの橋本僚副主将(28)。ロシア、韓国との通常のアジアリーグ中止をはじめ、ジャパンカップの相次ぐ日程変更にも翻弄(ほんろう)された新型コロナウイルス禍のシーズンを過ごす中で、「全員が精神的に成長した」と胸を張る。
自身は東京2戦で計3アシスト。DFながら「毎試合得点に絡むことを陰の目標にしてきた」と昨年11月から12試合連続でポイントを挙げるなど、現在8得点23アシストで得点王候補のFW中屋敷侑史(23)と並びポイントランキング2位につける。昨季アジアリーグのベストDFに初選出され、「恥じないようなプレーがしたい」と思いを新たにしたことが飛躍の契機になっている。
王子として挑む最終の連戦の相手は、今季からアジアリーグに加盟した横浜。「歴史が変わる節目に新しいチームと当たるのは、どこか時代の流れを感じる。ファンの方々に恥ずかしくないように、王子が築き上げてきたものをきれいに締めくくれるように頑張りたい」と意気込む。
21日の栃木日光戦で久々に登場した20代前半の若手中心の第4セットも、横浜2戦で引き続きプレー機会が得られそう。同日に11試合ぶりのアシストをマークしたFW小林斗威(21)は「優勝は決まったけど、自分たちはもっともっとアピールしていかなければいけない。四つ目らしくアグレッシブにプレーして、2戦ともファンの皆さんと一緒に勝利を喜びたい」と語った。