堅守でチーム支える―王子イーグルス・DF山田虎太朗 「ファンのために全力プレー」

  • アイスホッケー, スポーツ, レッドイーグルス
  • 2021年3月5日
王子の守りを支えている山田=20年12月、白鳥王子アイスアリーナ

  アイスホッケーアジアリーグのジャパンカップ制覇まであと1勝に迫る王子イーグルスは20、21両日の対栃木日光アイスバックス戦(東京)に向け、本拠地白鳥王子アイスアリーナ=苫小牧=で調整を続けている。「いつでも100%の力を発揮できるように」と語るのは所属7年目のDF山田虎太朗(29)。年々堅固になる守備力を発揮して、栄冠奪取に貢献する構えだ。

   今季は主に芳賀陽介(34)とDFコンビを組み、ここまで20試合にフル出場。菅原宣宏監督は「守りの面で安定感が出てきた。日本人離れしたパワーはもちろん、走力や敏しょう性などポテンシャルは高い。困ったときに頼れるDFの一人」と評価している。

   チームへの貢献の指標となる帯氷時間中の得失点差はプラス9。昨季のアジアリーグレギュラーリーグで記録したプラス6を上回る働きを見せている。山田は「チームの調子がいい証拠」としながらも、「菅原監督から受けたアドバイスを少しずつ実践できているのが大きい」と手応えを口にする。

   苫小牧出身。2022年北京冬季五輪の3次予選(20年2月、スロベニア)で日本代表主将を務めた。さすがのタフガイも度重なる日程変更を強いられる新型コロナウイルス禍のシーズンにモチベーション維持には難しさを感じてきた。それでも「試合を待ち望んでくれているファンの方々のために」と仲間たちと心を一つにして日々を乗り越えている。

   自身のやる気が高まっているもう一つの理由がある。昨年4月に誕生した長男の秦瑠(はる)君だ。「毎日の癒やし。練習でどんなに疲れても、会うと次も頑張ろうという気持ちになる」と言う。ジャパンカップのホーム戦は自身と同じ背番号6と名前が印字された小さなユニホームを着て、欠かさずリンクに足を運んでくれている。「父親として格好いい姿を見せないと」とはにかむ。

   王子イーグルスのチーム名でプレーできるのは残りわずか。4月からはクラブ化に伴って「レッドイーグルス北海道」として新たな一歩を踏み出す。「優勝はもちろん、残り4試合を全勝して王子として素晴らしい印象を残して終わりたい」と意気込んでいる。

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