アイスホッケーアジアリーグの王子イーグルスが、新型コロナウイルスの影響で異例の試合日程となった今月中旬のジャパンカップ対東北フリーブレイズ4戦を全勝し、日本一に王手をかけた。驚異の勝率8割に達したチームと同様、各種個人賞でトップを走るのは最多アシスト、ポイントのCF中島彰吾(27)と最多得点のFW中屋敷侑史(23)。「残り4試合もすべて勝つ」と両者は口をそろえる。
中島は東北との4戦で2得点6アシストを記録。得点とアシストを合算したポイント数を38に伸ばしたほか、アシストランキングでは長く首位だった東北のDFシモン・デニーを抜いてトップに躍り出た。「ゴールとアシストの比率が1対2くらいで、センターとしては理想的な数値」と納得の表情を見せる。
今季は試合前のコンディショニングに注力し、ゲーム開始50分ほど前からジョギング、ストレッチ、伝達機能向上を促す神経系トレーニングの順で体を動かすルーティンを確立させてきた。「調子の波がなくなった。特に東北との4戦は100%に近い状態で試合に臨めた」と言う。
次戦は3月20、21両日の対栃木日光アイスバックス戦(東京)と1カ月ほど期間が空くが、「調子をもっといい状態に持っていきたい」と頼もしい。
中屋敷は東北との4戦で5得点2アシスト。特に本拠地白鳥王子アイスアリーナ=苫小牧=で行われた14日の試合では、アジアリーグで自身初となるハットトリックを達成し「自信になった」と笑みをこぼす。
昨季に続いてFWラインを組むCF中島をはじめ、FW百目木政人(37)、DF橋本僚(28)らの名前を挙げ「自分は本当にセット仲間に恵まれている。どの得点シーンを振り返っても、周りに取らせてもらっているだけ」と至って謙虚だ。
念願の得点王獲得が現実味を帯びてきた。今季ここまで4度対戦し、毎試合得点の5点を奪って「相性がいい」と話す栃木日光戦に向け「チャンスは必ず来る。あとは自分が冷静に決めるだけ」と闘志を燃やす。