新型コロナウイルス感染防止のため、密を避けてレジャーを楽しむアウトドアブームが続いている。苫小牧市樽前のオートリゾート苫小牧アルテンのキャンプ場では、気温が下がる秋以降も客足が途切れず、10月の利用者は前年に比べて2倍超。11月も400~500人多くなる見込みだ。
冷え込みが増した25日、平日ながら利用客の姿が散見された。たき火をしながら、こんろで調理をしていた登別市の会社員、小川利人さん(41)は年に20回以上キャンプを楽しむという。アルテンは今年5回目の利用で「たき火を楽しみに来た。思ったほど寒くない」と笑顔を見せ、妻の貴子さん(38)も「虫もいないし、設備も整っていていい」と雰囲気を満喫していた。
テントサイトやコテージを有し、通年で営業する同施設は今年、コロナの流行で4月1~19日と5月1~24日に休業を余儀なくされた。だが、4月から今月24日までの利用者は3万6804人と、2019年4~11月の3万6614人を上回り、休業期間を補うほどの好調ぶり。このペースでいけば、過去最多となった19年度の4万2872人を超える見通しだ。
例年は利用者が減る10月だが、今年は3966人と前年の1754人に比べ2倍以上の伸び。11月は24日までに3253人と、前年の11月全体の3266人と同程度に並ぶ。28、29日の土日も含め400~500人の増加を見込んでいる。
運営する苫小牧オートリゾートの宮田哲也社長は「利用者の2~3割は初めて訪れる人だった。コロナで行くところがなく、キャンプ場が選択肢となったのでは」と推測する。テレビや動画投稿サイトでは、芸能人などが単独でキャンプやたき火を楽しむ動画が注目されており、1人で訪れる人も大幅に増加。前年11月の90人に対し、今年は24日時点で158人に上っている。
普段は札幌市からも利用者が多く訪れるキャンプ場。宮田社長は「仲間と集まって話をするときはマスクを着用し、コロナ対策を取りながら楽しんでいただきたい」と話している。