新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国が見直す方針の観光支援策「Go To トラベル」。開始時期や対象地域など具体策が決まらないまま、「我慢の3連休」を終えた。北海道の空の玄関口、新千歳空港は連休最後の23日、道内を観光で訪れた人である程度の混雑。「コロナ前」に及ばないものの、キャンペーン効果の高さを裏付けた。観光客は複雑な思いで連休を道内で過ごしたようだ。
東京の中川瑛里さん(27)、星彩香さん(27)は20~23日、キャンペーンを利用して本道を訪れた。10月1日に東京都発着の旅行が対象に加わり、初めての北海道旅行を決めたが、「当時はコロナがこんなに広がるなんて思っていなかった」と振り返る。
ホテルを予約した札幌市で不要不急の往来自粛が求められていることを知り、「キャンセル料が自己負担にならないのなら旅行をやめたと思う」と話す。結局は札幌を「拠点」として、旭川や小樽など観光地を巡り、「アルコール消毒液を持ち歩くなど普段以上に対策した」と語った。
道東を訪れた沖縄県の金城真美さん(47)も「8月から予約していた。自己都合のキャンセルはできない」と旅行を決行。札幌市内に泊まってレンタカーで移動したため、「観光先で『来るな』と言われるか心配した」と率直な感想も。友人同士で感染対策を徹底し、「北海道の人はみんな親切だったので楽しむことはできた」と喜んだ。
キャンペーンを使って2泊3日、洞爺湖温泉などを訪れた東京の北林純子さん(52)も「キャンセル料は大きい」と話す。「国がその費用分を出してくれるなら、旅行を見直したかもしれない」と振り返り、「札幌に行くのは怖いと思った。なるべく人のいない町を回った」と話す。
家族旅行を約1年ぶりに満喫したという東京の会社員、河内隆太さん(38)もキャンペーンを活用して3日間にわたって札幌市内などを予定通り回った。「今を逃すと旅行できなくなるかもしれないし、国が実施している間がチャンス。感染はしたくないのでしっかり対策して旅行した」と強調していた。