道と札幌市などは20日、新型コロナウイルスの感染者が新たに304人確認されたと発表した。300人を超えたのは初めて。19日の263人を上回り2日連続で過去最多を更新し、3桁台は16日連続となった。このうち90人の感染経路が不明。札幌市は80代男性、旭川市は年代・性別非公表1人の死亡を確認し、道内の死者は累計143人となった。鈴木直道知事は同日、記者団の取材に応じ「極めて厳しい状況で、一般の診療や救急医療にも支障が生じかねない」と強調。21日からの3連休は「感染リスクを回避できるか迷う場合、札幌との往来を控えてほしい」と道民に呼び掛けた。
道は88人の感染を確認。内訳は白老町の年代・性別非公表の公務員1人を含む胆振管内12人のほか、石狩管内25人(千歳市5人、恵庭市3人など)、空知、釧路両管内各13人、十勝管内12人、後志、オホーツク両管内各4人、日高、上川、宗谷、根室4管内各1人、札幌市居住1人。胆振管内の1日当たりの新規感染者数12人は過去最多となる。
クラスター(感染者集団)も計4件発生した。登別市の養護老人ホームで40~80代の職員と入所者5人が感染したほか、胆振管内の接待を伴う飲食店で20~60代の経営者と利用客計6人の陽性が判明。新ひだか町の日高徳洲会病院では40~80代の職員と入院患者5人、釧路市の事業所では6人の感染が分かった。クラスターが形成されている千歳市の陸上自衛隊東千歳駐屯地では新たに4人の陽性が判明し、計20人に。北広島市の障害者支援施設でも新たに2人の感染が分かり、クラスター規模が計97人に拡大した。
札幌市は計191人の感染を確認した。ススキノ地区の接待を伴う飲食店(従業員と利用客19人感染)、コールセンター(従業員10人感染)、タナカメディカル札幌田中病院(手稲区、職員と入院患者46人感染)の3カ所で新たにクラスターが発生。道内のクラスターは累計で133件になった。
旭川市は21人、小樽市は4人の感染を発表した。
道内の感染者は延べ6684人(実人数6660人)。現在の患者数は前日から120人増えて2113人で、2000人を超えた。重症者も2人増えて19人となった。
直近1週間(14~20日)の新規感染者数は1629人で、19日時点の入院患者の病床利用数は718床。道が定める警戒ステージ「4」(新規感染者数796人、病床利用数350床)の基準を大幅に上回り、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が現実味を帯びている。