苫小牧市の岩倉博文市長は6日午前、臨時記者会見を開き、市立病院の臨床研修医1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。道が5日に感染を公表した20代医療従事者で、検査の結果、現時点では、濃厚接触者を含めて他に陽性者はおらず「院内で感染拡大が確認されている状況にはない」と強調。苫小牧保健所と連携し、通常通りの診療を継続する考えを示した。
市によると、感染経路は調査中。研修医は3日、出勤時に36・2度の平熱だったが、昼に倦怠(けんたい)感を覚えたという。再検温で37度を超えたため、検査した結果、陽性が判明して自宅療養中。
感染の恐れがある「発症2日前」に当たる1日から、研修医は一般の外来診療を行っておらず、入院患者への診療も主に指導医が実施。院内の感染対策も徹底されており、感染症対応に当たる道の見立てでは、濃厚接触者は一緒に救急外来研修に参加した研修医1人、看護師2人の計3人で、患者との濃厚接触はなかったという。同院は万全を期すため、残りの研修医11人を含む職員25人についても検査したが全員陰性。研修医12人と濃厚接触者の看護師2人は約2週間、自宅待機とし経過観察する。
会見で、岩倉市長は「今後2週間は緊張感を持って院内で感染が拡大しないよう細かくチェックし、市民や患者に一日も早く安心を届けたい」と話した。