アイスホッケー女子日本代表「スマイル・ジャパン」の今シーズン第2次の合宿が10月、白鳥王子アイスアリーナ=苫小牧=で行われた。2022年の北京冬季五輪に向けての強化が段階を追って進んでいる。飯塚祐司監督(46)は「今後の合宿では得点効率をさらに向上させるための練習を重ねていきたい」と話していた。
異例のコロナ禍の中、9月下旬から10月にかけて実施した第1次合宿を経て、スマイルジャパン候補者26人が再度、苫小牧に集合。20日から29日までの間、氷上練習やさまざまな陸上トレーニングにも取り組んだ。
ソチ、平昌と2回の五輪出場を経験したFW米山知奈(28)=道路建設ペリグリン=はこれまで蓄積してきた経験を生かし、積極的に練習に打ち込んでいた。
米山は自身のプレーについて「キープ中のパックの守り方など、1対1の個人技的なスキルは向上してきた」と手応えを語る。一方で力強いシュートを放つためのパワー向上に主眼を置いてきた。「(シュートの)スピードアップ、状況判断能力を磨いていきたい」との考えで、来シーズンに迫る北京五輪に向けて「自分の集大成の大会と思って臨みたい」と意気込みを語った。
同じく五輪連続出場組のFW藤本もえこ(28)=トヨタシグナス=はフィジカル面全体を鍛え直してきた。「ボディーコンタクトで当たり負けないようにウエートトレーニングを積む」と体幹強化に心血を注ぐ。氷上練習では持ち前の機動力健在をアピール中。「走りでは若い選手にも負けない自信がある」と言い、持ち前のスケーティングで存在感を表す構えだ。
北京でチームが掲げるのがメダル獲得。飯塚監督は、そのために課題を一つずつ克服して全体の底上げを図って強化のメニューを積み上げる。「平昌で感じたのは決定力の差。得点できる選手の枚数の差が勝敗に直結した」と振り返り、過去最高となった指標、直近の世界ランキング6位からさらなる浮上を期す。「決める力の差を埋めなければ上位には上がっていけない」と力を込める。
18年の2月に行われた前回五輪では米国、カナダの金銀2カ国に次いで銅メダルを競ったフィンランド、ロシア、さらにスイスが日本の頭上に居並んだ。眼下にも虎視眈々(たんたん)の欧州勢強豪がひしめく。こうした情勢下、特長の運動量に加え、強化で上積みした戦い方を発揮できるかが焦点だ。「利点を生かしながら、チーム全体でゴールを奪う力を付けていきたい」と戦うすべを思い描く飯塚監督。今月17日からは苫小牧で第3次合宿が矢継ぎ早に行われる。