苫小牧市の岩倉博文市長は19日、胆振管内で新型コロナウイルスの感染事例が相次いで報告されていることを受け、市民向けの注意喚起メッセージを出し、改めて対策の徹底を訴えた。ただ、管内で発生しているクラスター(感染者集団)については「落ち着きつつあると考えてよい」と述べた。
メッセージは、同日の定例記者会見の冒頭、発表された。9月の4連休(19~22日)以降、道内で感染拡大が続いているとし、従来の3密(密閉、密集、密接)回避やマスク着用、手洗い、換気に加え、職場、家庭内の共有スペース消毒などの必要性を強調。「誰にでも感染リスクがある。思いやりある冷静な行動を」と呼び掛ける。
ただ、市内での感染状況について、市の担当者は「非常に強い危機感を持って対応している」としながら感染者の居住地名が非公表となっている事情から「市として公表できるものはない」と理解を求めた。
岩倉市長は病院や高齢者施設、学校でクラスターが発生した場合には一層警戒を強める姿勢を見せつつ、「道の判断で公表しているので、それに基づくしかない」と説明。ただ、市長自身は都道府県で基準にばらつきがある点などを課題の一つとして認識しており、感染拡大が落ち着いた時点で道に再考を促す考えを改めて示した。
東胆振の第2種感染症指定医療機関である苫小牧市立病院の現状の受け入れ体制に関しては「当院で療養されている患者の多くは比較的軽症で入退院の回転が早く、病床が逼迫(ひっぱく)している状況ではない」と語った。