苫小牧市東開町のさくらファミリークリニック(朴繁京院長)が市内の民間医療機関としては初めて、新型コロナウイルスの遺伝子検査(PCR検査)と抗原検査、精密抗体検査の受け付けを始めた。道の行政検査のほか、一般の検査希望にも対応。感染拡大防止と院内感染リスクを避けるため屋外に簡易検査場を設け、ウオークスルー方式で行っている。今冬はインフルエンザとの同時流行が懸念されており、早期に検査結果を把握し、適切な治療に結び付けたい考えだ。
朴院長はコロナの感染拡大で検査希望者が増えていることなどを踏まえ、「発熱などの原因を見極め、迅速な治療につなげるために必要と考えた」とし、今年5月に国内で初めて承認された新型コロナウイルス抗原検査キットを導入。9月29日からPCR検査などの受け付けを始めた。
検査は原則車両で来院とし、他の外来患者との接触がないよう、同院の裏側に設置した簡易検査場で検体を採取する。朴院長も全身防護服で対応する。PCRの場合は結果が出るまで2日要するが、抗原検査は30分ほどで感染の有無が分かる。また、血液を採取して行う精密抗体検査も同時に実施できる。これまで25人を検査しているが、全員陰性だったという。
検査結果が陽性だった場合、連携先の保健所につなぐ。陰性の場合は必要に応じて院内で診療する。
PCR検査は税込み2万5000円。精密抗体検査は同4000円となっている。行政検査扱いの抗原検査は保険診療となり、検査代金は掛からないが初診および再診料などは有料。今後流行が予想されるインフルエンザも同時に検査できる。職場単位での検査受け付けや検査結果証明書の発行(有料)にも応じる。検査を受ける場合は事前の電話予約が必要。
苫小牧市内のコロナ検査はこれまで、苫小牧保健所と苫小牧市医師会などが設置した苫小牧PCR検査センターの2カ所に限られていた。朴院長は「今後も民間医療機関で検査できる態勢が整ってほしい」と期待を寄せている。
問い合わせや検査予約は同院 電話0144(55)6526。