胆振管内の福祉施設職員を対象とした、新型コロナウイルスの感染拡大防止策に関する初の研修会(胆振総合振興局主催)が7月30日、苫小牧市民会館大ホールで開かれた。北海道医療大学大学院講師の石角鈴華さんが、集団感染となった札幌市の介護老人保健施設「茨戸アカシアハイツ」の事例を交えながら、安全管理の視点に立った感染予防対策の重要性を説いた。
道内の感染拡大を最小限に抑えるため、全道各地の振興局単位で開催。今回は管内の高齢者施設や障害児・者施設などを運営する約190事業所に呼び掛け、約170人が参加した。
石角さんは「感染予防策は施設の安全管理の一つとして行うべき」と繰り返し強調。新型コロナのための特別な対策ではなく、日ごろから行っている対策が基本とし「環境衛生は職員に委ねるのではなく、マニュアル化して組織として取り組む姿勢が重要」と呼び掛けた。
また、利用者と職員合わせて96人が感染した「茨戸アカシアハイツ」の事例から、防護具の常備や最初に感染した患者の隔離方法、施設内の区域分けなど必要な備えも具体的に解説。「『少し危険だけど良いサービス』というのはこの世に存在しない。安全だからこそ初めて良いサービスが提供できる」と訴えた。
研修会ではまた、実技を交えながらガウンや医療用マスク、手袋など個人用防護具の正しい着脱手順も解説。石角さんは「万が一に備え着脱方法も習得してほしい」と話した。