苫小牧市は今年度、新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中、保育施設や市の学童保育・放課後児童クラブを運営し、児童福祉の現場を支えてきた保育士らに慰労金を支給する。医療関係者と同様に感染リスクを抱えながら保育に取り組み、社会機能の維持に貢献したことへの感謝を表すとともに、雇用維持や離職防止につなげる考えだ。
慰労金の支給対象は、新型コロナの感染が国内で拡大した3~5月に▽認可及び認可外保育所▽認定こども園▽小規模保育事業所▽幼稚園(預かり保育事業者のみ)▽放課後児童クラブ―で10日以上勤務した職員。支給額は子どもと接することが多い保育士や支援員などが1人当たり5万円、事務職や給食調理などに携わる人は同3万円としている。
市内ではコロナ流行を受けて3月以降、市の呼び掛けに応じる形で家庭保育に協力する一般家庭が増加。各保育施設や放課後児童クラブは5月までの約3カ月、利用児童の人数を通常の約半分に減らせたものの、感染リスクのある「密」を伴う環境下で子どもたちの受け入れを継続。共働きの夫婦や働くひとり親などを側面から支えてきた。
国は全保険医療機関の医療従事者や職員などに対する慰労金の支給を決め、今月から申請を受け付け始めたが、保育士は対象外。こうした動きに慰労金を独自に支給する自治体が全国各地で出始めており、苫小牧市も同様の対応を取ることを決めた。
市によると、給付対象者は推計約1400人で、保育施設に4800万円、放課後児童クラブに880万円の事業費を確保した。各施設への事業説明を経て8月以降に申請の受け付けを始めるとしている。