札幌市中央区のススキノ地区で新型コロナウイルスの感染が拡大していることを重視し、道と札幌市は対策の強化に乗り出している。17日に「札幌市・北海道合同感染症対策チーム」を立ち上げたほか、23日には同地区で臨時PCR検査センターも設置して始動。鈴木直道知事は「ススキノの接待を伴う飲食店に従事する人などを対象に、攻めのPCR検査で感染拡大を抑え込みたい」と話している。
道内最大の歓楽街・ススキノ地区では、キャバクラとスナックの2店舗でクラスター(感染者集団)が発生。23日までに同地区の接待を伴う飲食店関連の感染者は計13店舗、計33人が確認されている。
感染者が急増する状況を踏まえ、道と市は感染拡大防止に向けて「機動的・集中的な取り組み」が必要と判断し、合同の対策チームを発足。専任職員を配置し、PCR検査や疫学調査体制を強化。国立感染症研究所専門家による助言も受けて、防止策に乗り出している。
23日には同地区に臨時PCRセンターも開設した。鈴木知事は「ススキノ地区の店舗の従業員などが歩いて行け、検査できる場所」と説明。具体的な場所はプライバシーの保護と検体採取を円滑に進めるために非公表。▽接待を伴う飲食店などの従業員(無症状可)▽症例発症店舗の従業員と利用客(無症状可)▽その他店舗の従業員(有症状のみ)―が検査対象。予約制で検体採取を進める。
知事は「集団感染を抑え込んでいくため、従業員はもとより、利用者の把握も重要」と強調。「7月1日以降にこれらの店を利用した人は、近くの保健所や帰国者・接触者相談センターに積極的に相談していただきたい」と呼び掛けている。