札幌商工会議所は、新型コロナウイルスによる経営への影響の6月調査結果を発表した。「経営に影響が生じている」と回答した企業は5月調査と比べ4・9ポイント縮小の55・8%で、2月の調査開始以来、初めて減少に転じた。
調査は6月15~24日に、会員企業547社を対象に実施。312社から回答を得た(回答率57%)。
コロナ禍で「経営に影響が生じている」との回答は、2月調査が19%、3月調査が42・5%、4月調査が49%、5月調査が60・7%と月を追うごとに上昇していたが、6月調査で初めて下降した。緊急事態宣言が解除され、経済活動が徐々に再開していることが反映されたとみられている。
「影響が生じている」企業の業種別では、製造業が71・9%で最多。これに小売業の67・5%が続いている。
「影響が生じている」企業の2020年度の雇用や採用関連(複数回答)では、「雇用調整助成金を検討・申し込み」が46%で最も多い。以下、「採用・派遣労働者の人数を縮小・見送る」(38・5%)、「従業員の休業を実施」(28・7%)の順。「従業員の人員整理を検討・実施」は3・4%にとどまった。
事業継続と感染拡大防止の両立についての対応(複数回答)では、「店舗・オフィスの定期的な消毒や換気、従業員・顧客の検温や手洗い、手指の消毒徹底」(63%)が最多だった。
企業からは「日増しに影響が顕著となり、経営環境は一段と厳しさを増しているが、社員の定着と士気の高揚のため、昇給と賞与の増額を実施した」(卸売業)、「コロナの影響で海外でのイベントや展示会も中止となり、輸出に関してはかなりのダメージを受けている。今後の回復に期待したい」(製造業)などの声が上がっている。
事業継続と感染拡大防止の両立の対応(複数回答)
順位 対応内容 割 合
1 店舗・オフィスの定期的な消毒や換気など63.0%
2 会議の開催頻度・時間・人数の削減や制限52.1%
3 出張の原則禁止や制限42.3%
4 時差出勤の実施32.4%
5 テレワークの実施28.5%