白老町は、新型コロナウイルス対策に充てる国の第2次地方創生臨時交付金を活用した25事業を計画し、15日の町議会全員協議会で示した。売り上げが減少した事業者の上下水道料金軽減や新生児1人につき10万円給付の子育て世帯支援などを盛り込み、新型コロナの影響を被った地域経済の回復や住民生活をサポートする。
白老町への第2次交付額は3億6968万3000円。町は、このうち2億3925万円を活用して25事業を組み立て、今月の町議会定例会で補正予算案を提案。残りの交付額1億3043万3000円については別に新たな事業を計画し、9月定例会で補正予算案を示す。
25事業は「感染拡大防止」で11事業(1億3730万円)、「住民生活支援」で7事業(4270万円)、「地域経済回復」で7事業(5925万円)を計画。経済回復分野の主な事業では、コロナ禍で売り上げが前年同月比20%以上減少したり、道の休業要請に応じたりした事業者に対し上下水道料金3カ月分相当額(上限10万円)を給付。売り上げが減った1次産業事業者に対し減収率に基づいて5万円、10万円を支給する事業も行う。
また、新型コロナの影響で失業した求職者と、人材不足に苦しむ企業をつなぐ合同企業説明会を開催。休業や解雇で収入が減り、社会福祉協議会の緊急小口資金特例貸し付けを受けた世帯に対し、5万円を上限に給付する。感染リスク低減の対策を実践する事業者に対し、消毒機器や換気設備の購入費などを上限20万円で補助する。
住民生活支援の分野では、今年4月28日から来年3月末までに生まれた新生児1人につき10万円を支給。町の担当部局がインターネットのオンライン(ビデオ通話)で子育てや心の健康相談を町民から受ける体制を整備する。
また、新型コロナ感染症発生などに伴う小中学校の臨時休校に備え、オンライン授業に活用するタブレット型端末機を児童生徒1人につき1台を整備。学校のICT(情報通信技術)環境の整備や運用に向けたスクールサポーターも配置する。
感染拡大防止の分野では、公共施設のトイレ洋式化や自動式手洗い水栓の設置などを行い、衛生環境を強化する。また、町役場の窓口カウンターに飛沫(ひまつ)感染防止用仕切り板を設置し、駅北観光商業ゾーン(ポロトミンタラ)の観光インフォメーションセンターに入館者の体温を自動計測するサーモグラフィー検温システムを導入するなど、各公共施設でウイルス感染を防ぐ対策を強める。
町は、31日の町議会定例会で補正予算案の議決が得られれば、各事業の早期実施を目指す。