鈴木直道知事は4日、札幌市内で赤羽一嘉国土交通相と会談し、新型コロナウイルス感染拡大により打撃を受ける本道の交通事業者への支援を求める緊急要請書を提出した。▽空港運営事業への支援▽水際対策の強化と出入国制限の緩和に向けた基準策定▽鉄道事業への支援―の3本が柱。会談終了後、鈴木知事は報道陣に「(要請内容について)大変心強い言葉を頂いた」と述べた。
赤羽国交相は、12日に白老町に開業する「民族共生象徴空間(ウポポイ)」を視察するために来道。視察を前に札幌市中央区の知事公館で、約1時間にわたり、鈴木知事と非公開で会談した。
知事はコロナ禍の活動自粛によって失われた交通需要の回復にはなお時間を要し、交通事業者は引き続き「厳しい事業経営が見込まれる」として、3本を柱とする要請内容を説明した。
「空港運営事業―」では、運営権対価分割金の支払いの猶予を要望。「水際対策の強化―」では、検疫・検査体制の強化と入国者の行動追跡実施を求めたほか、出入国制限を段階的に緩和するための明確な基準を示すことも要請。「鉄道事業―」では、JR北海道に対して緊急的な支援措置の必要性を強調。具体的には鉄道・運輸機構からの借入金の返済猶予や、金融機関からの融資に対する政府保証を求めたほか、学校休業に伴う通学定期払い戻しなど減収に対する補填(ほてん)措置も要望。また、大幅な減収を的確に見込み、JR北の今年度事業計画と中期経営計画を抜本的に見直すよう指導することも求めた。
会談終了後、報道陣の取材に応じた赤羽国交相は「政府を挙げて、関係省庁とも連携しながら最大限の対応をしていきたい」と語った。知事は「新型コロナウイルスにより、公共交通を担っているJRや空港など交通事業者も影響を受けている。これは非常に大きな問題で、国において対策の徹底をお願いした」と説明。JR北の対策に関しては今後、「オール北海道で提言を取りまとめて提出したい。大臣からも前向きに調整するという発言があった」と述べた。