鈴木直道知事は3日、定例記者会見を開き、新型コロナウイルスの道内の感染状況について、「現時点で感染拡大につながる状況には至っていない」と強調した。ただ、気になる点として2、3両日に東京都で100人を超える新規感染者が発生していることを挙げ、「東京と本道は往来が多い。注視していく必要がある」との認識を示した。
知事は道独自で設定している3指標について、(1)1日の新規患者数(直近1週間の平均値)は7・7人(目標10人以下)(2)1日の感染経路不明の新規患者数(同)は0・7人(同3人以下)(3)入院患者数は84人(同250人以下)―と3日時点でいずれも達成していることを指摘。1日の新規患者数が増加傾向にあるものの、「昼カラオケや高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生したためで、感染源が特定されている」と説明。クラスターが発生した小樽、札幌両市と連携し「その集団感染の抑え込みの取り組みを進めている」と述べた。
連日100人超と新規感染者が再び急増している東京都の状況については、「都知事の会見で『夜の街』の外出に対する注意喚起があり、ガイドラインを順守している店舗以外の利用を控えてもらうよう呼び掛けもあった」と指摘。道民に対し「(東京との)往来をすること自体を制限するわけではないが、訪問先の呼び掛けに留意してほしい」としたほか、「感染防止対策を十分に取られている店舗を選ぶなど、新北海道スタイルの実践を徹底していただきたい」と注意を呼び掛けた。
また、知事は道の「北海道コロナ通知システム」と国の「接触確認アプリ」の二つのシステムを説明。前者は「集団感染発生時に大きな効果」が発揮でき、後者は「市中感染発生時に大きな効果が発揮できる」と解説。「感染拡大防止の観点から、二つのシステムを併用して利用していただきたい」と道民や事業者に求めた。
この他、知事は週明けの6日に「新型コロナウイルス感染症対策支援総合相談窓口」を設置することも発表。国や道の多数の支援施策があるものの、事業者や商工団体から「よく分からない」との声があったため。「ワンストップで相談対応できるようにする」と述べ、道庁のほか、各振興局に窓口を設置する。