新型コロナウイルス流行で臨時休館していた市内の公共施設で生涯学習講座が再開され、多くの市民が喜びをかみしめながら受講している。開催期間の短縮やコロナ対策のための参加人数の調整など一部で制限を伴うものの、受講生同士の交流を楽しみながら学ぶ時間を過ごしている。
市内では、各コミュニティセンターや市文化交流センター、市男女平等参画推進センターなどが文化や教養、健康について触れられる機会を設けようと、生涯学習講座を毎年企画している。通年や上半期と下半期に分けるなど実施形態はさまざまあり、多くは5月からスタートする計画だったが、新型コロナの影響で4月20日から臨時休館が決定。感染拡大が止まらず延長措置が取られたことで、最長で5月24日まで休館が続いた。
各施設とも国や道の緊急事態宣言解除などを踏まえた利用再開に合わせ、各講座の計画を再検討。このうち市男女平等参画推進センターは、受講者の人数制限や各会場の換気といった感染予防を考慮しながら講師らと対応策を協議。当初は14講座の予定だったが、料理や作品制作、ヨガなど11講座に縮小して実施することを決めた。
高齢者福祉センターでは現在、手芸や短歌、民謡などの教室を開講中。沼ノ端や住吉コミュニティセンターは当初計画していた講座の一部を今後実施する考えで、受講者を募集中だ。
生涯学習は中高年層を中心とする市民が利用しており、生きがいづくりや交流などが楽しみの一つ。講座が再開したことで受講者からは安心や喜びの声も上がる。
陶芸講座「初めての陶芸」(石川徹講師、全5回)を受講する一本松町在住の男性(66)は「以前から関心があったが、仕事が忙しく機会がなかった。今回初めて申し込んだので開講が決まって安心」と語る。大成町在住の女性(57)も「時期は遅れたけど受講できてよかった」と笑顔を見せた。
各施設の担当者は、長期に及んだ休館で計画変更はあったものの、今後も学ぶ機会を提供しながら市民の思いに応えていく考えだ。