新型コロナウイルス感染対策に必要なマスク関連商品として、眼鏡の曇り止めや耳すれ防止アイテムが関心を集めている。呼気で眼鏡レンズが曇るほか、マスクの装着時間が長くなりゴムひもと皮膚がこすれて耳が痛くなる人が増えたためで、苫小牧市内の眼鏡販売店の中には特設コーナーを設ける店舗も。メーカー側も生産体制を強化するなど注目している。
市内でオバラメガネなど4店舗を展開するアングル(小原隆介社長)では、4月ごろから曇り止め商品の売り上げが急増。オバラメガネ苫小牧日新店では2カ月で同商品の年間売り上げを上回り、三光町の同ステイ店でも平年に比べ300%超という。5月から商品の種類や入荷数を増やし、特設コーナーも設置。スプレータイプやレンズを拭き取ると効果を発揮するクロスタイプなど200~1300円の価格帯で10種類近くをそろえた。
市内日新町の眼鏡販売店OOMICHI苫小牧店も3月ごろから曇り止めの売り上げが増えている。コロナ前は月に数本だったが、現在は週に10本以上のペース。同店は「こんなに売れたのは初めて」と驚く。各メーカーに数種類の商品を発注中で「店頭在庫を集めるのが大変」と同社社員。普段扱っているジェルタイプはすでに納期未定という。
曇り止めを製造販売するサイモン(千葉県)では売り上げが平年比で3倍以上。担当者は「在庫切れの商品もあるが、フル稼働で生産中。一部は落ち着きつつある」と話す。
一方、マスクのゴムひもによるすれ防止グッズも注目されている。アングルは7月1日から、耳元のすれ防止用クリップを販売する。普段は耳に掛けるマスクのゴムひもの両端をクリップに着け、首の後ろでまとめる仕組み。クリップは2サイズあり、税込み550円。福井県のメーカーが今月中旬から製造販売した。木製チップと合成樹脂を合わせた素材。色も豊富で、髪留めのようにファッションアイテムとして使用できる。
このほか、眼鏡に取り付けるとゴムひも掛けに流用できる「ピタリング」を販売しており、小原社長は「耳元が痛いという人の悩み解消にもなれば」と話している。