苫小牧市社会福祉協議会は新型コロナウイルスの流行を受け、市内の町内会と老人クラブを対象に実施したコロナ感染拡大前後の地域活動に関するアンケート結果を公表した。このうち町内会、老人クラブともに9割近くの活動が減少したことが分かった。いずれも外出自粛などが要因。会員間の親睦や世代間交流などは大幅に減ったが、地域の環境活動や防犯、見守り活動は一部で継続している傾向が見られている。
調査は5月18~29日に実施。町内会83団体と老人クラブ57団体の計140団体にアンケート用紙を送付し、約7割の96団体(町内会55団体、老人クラブ41体)が回答した。設問は新型コロナによる地域活動への影響や地域で必要な支援など全11問。
地域活動の設問では、コロナ前後の比較で町内会86・8%減、老人クラブ89・7%減とそれぞれ活動が大幅に減少した。
内訳を見ると、町内会は「茶話会・会食」や「懇親会・旅行会などの親睦」「世代間交流」がいずれも90%以上の落ち込み。一方で「防犯・防災活動」(73・7%減)、「見守り活動」(75・9%減)、「地域の清掃などの環境活動」(76・1%減)など一部で継続した取り組みもあった。
老人クラブは「趣味・サークル活動」や「茶話会・会食」「ボランティア活動」など、感染拡大前に数多く開催していたイベントはすべて見送り。これに対し「見守り活動」(37・5%減)や「子どもの交通安全」(76・5%減)など安全安心に欠かせない取り組みは限定的に続いている。
また、外出自粛の長期化に伴う心配事は「地域活動の再開」が21件と最も多く、会員離れのほか、活動再開の目安や進め方が分からないなどの回答があった。次いで「健康・認知面の低下」が18件で、在宅時間の増加による運動不足や閉じこもりを心配する声がある一方、「手紙や電話のやりとりで励まし合い、つながりが切れないようにしている」といった声もあった。
地域が必要とする支援では、町内会、老人クラブともに「安否確認」が上位を占め、コロナ前後で大きな変動はなかった。
担当者は今回の結果について、「今後、地域活動の形が変わってくることが考えられる」と新型コロナへの対応を新たな課題として挙げた上で、「今できることから少しずつ取り組み、活動再開に向けて各団体と協力していきたい」と話した。