卓球の日本一を懸けた天皇杯・皇后杯全日本選手権大会が21日、東京体育館で開幕する。名だたるメンバーがひしめくトーナメント戦。苫小牧からは男子一般に駒大苫小牧高の佐藤大空(3年)、同ジュニアに小林彪雅(1年)、野口碧斗(1年)が出場。いずれも4回戦進出が目標だ。女子一般にも苫小牧東高の秋山晴名(かんな、2年)が挑戦する。「一番大きな大会だし目標にしていた大会に出場できてうれしい」と語る。
両ハンド共にバランス良く振ることで、相手の攻撃に対応する佐藤。昨年9月、札幌市で行われた北海道予選では、大学生など実力者たちとの激戦を勝ち抜き決勝へ。敗れたものの相手はTリーガーの吉田雅己。「サーブが切れていたし、ゲームを支配されていた」と格上との対戦を分析しながらゲーム運びや技術を吸収し、さらなるレベルアップを目指している。3度目の選手権に「厳しい戦いになるが、目の前の1戦を一つずつ勝ち上がっていきたい」と闘志を燃やす。
ジュニア勢は道予選で小林が優勝、野口が準優勝の結果を残した。小林は入学してから昨年夏ごろまで、思うような結果が出ずに気持ちが沈み、苦しい時期もあった。3年生の引退後「チームを引っ張っていこう」と気持ちを切り替え、責任感が湧くようになった。試合では、前陣で相手の打球を利用しながら攻撃を展開する。初めての大舞台だが「弱気でいられない。序盤から強気で長所を発揮しながら勝利を目指したい」と力を込めた。
小林と共にチームのエース格を担う野口はバックハンドを得意とする。入学時から高校レベルの球威や回転力に対応しようと努力を続けてきた。「全国の選手と対戦する機会もあった中で、自分に足りない部分も見えている」とした上で「選手権ではバックを武器に、ひるまず、実力を出し切って戦っていきたい」と話した。
小林正佳監督は「体のベースを鍛え、力で勝負できるよう取り組んできた」と話す。佐藤については「手を抜くことを知らない」と評価。「今後のステップアップのためにも、いい経験にしてもらいたい」と期待を寄せる。小林、野口については「チームを背負っていく選手」と期待し、「団体戦でエースの風格も付いてきた。選手権後にも大会が続くので、一つでも良い結果を出してもらいたい」と激励した。
女子一般道予選でベスト8に進出し、本戦初出場の道を切り開いた秋山は日高町門別在住。得意とするバックで先手を取り、ラリーを制するプレースタイルで勝利をつかむ。小学3年生の頃、友人と卓球チームの日高ジュニアの門をたたいた。団体で全国大会を経験し、中学2年の時には個人で全国ベスト32にも名を連ねたが、一度競技から離れることを決意。1年後に苫東高へ入学し、卓球への情熱を取り戻して活動を再開した。
本戦まで古巣の日高ジュニアにも通いながら緩急などの変化に対応できるよう準備を進めてきた。目標にしてきた舞台で秋山は「緊張せず、挑戦者の気持ちで初戦突破を目指したい」と意気込みを語った。