来年2月開催のミラノ・コルティナ冬季五輪で、実施競技に採用された山岳スキー。通称「スキーモ」はスキーを担いで急斜面を登り、下り坂をスキーで滑降して着順を競うユニークな競技。昨年12月から本格的に五輪出場枠争いが始まった。
欧州の山岳地帯で行われていた国境警備隊のトレーニングが起源とされ、次回五輪開催国のイタリアやフランスなどで人気がある。選手は軽量のスキーと登山に適した可動域の大きいブーツを履き、スキーを取り付けられるバックパックを背負って競技をする。
2026年五輪では短距離で争う「スプリント」と、男女2人1組で交互にコースを周回する「混合リレー」の2種目を実施。1周に3分ほどかかるコースで展開されるスピード感あふれる勝負に加え、スキーの脱着などを行う「トランジット」をいかに素早く行うかも見どころになりそうだ。
国内統括団体の日本山岳・スポーツクライミング協会によると、日本の競技人口は約200人。五輪に向けては23年からスペイン人コーチを招いて強化に取り組み、バイアスロンで五輪2大会の出場経験を持つ女子の田中友理恵(アスクゲート)、男子の島徳太郎(中野土建)らがワールドカップ(W杯)に参戦してきた。競技が盛んな欧州勢との争いでは苦戦が目立ち、協会関係者は今後について「五輪に向けて頑張らないといけないシーズンになる」と話す。
五輪出場枠は男女各18。日本勢はアジア枠での出場を目指すのが現実的で、中国がライバルになりそうだ。世界選手権やW杯の成績が五輪枠を決める世界ランキングの対象となり、今年12月下旬までが予選期間となる。