2028年ロサンゼルス五輪の星が、センターコートで躍動した。バレーボール全日本高校選手権の女子で、秋本美空(18)が主将として共栄学園(東京)を19大会ぶりの優勝に導いた。12年ロンドン五輪銅メダリストの大友愛さんを母に持つ万能アタッカーは「代表に選ばれて活躍したい。次の五輪に出たい」と青写真を描く。
23年に16歳で日本代表に初選出された逸材。昨年のU20(20歳未満)アジア選手権では、主力として準優勝に貢献した。
全日本高校選手権では、ノーシードから強豪を次々に破る原動力となった。184センチの長身を生かしてブロックの上から強打をたたき込み、巧みにコースを打ち分ける器用さも併せ持つ。3枚ブロックと相対する場面も多かったが、「守備は少なくなるので、上から打ちやすい」。ジャンプサーブでたびたび相手を崩し、高校入学後に強化してきたレシーブでもチームに安定感をもたらした。
中村文哉監督は約3年前、当時中学3年の秋本を「あそこ(日本代表)にお前が入るんだ」と鼓舞。当初は現実味がない様子だったが、徐々に自覚が芽生えてきたという。常に世界を意識した指導を続け、「本当に成長した」と目を細めた。
1年時は8強、前回は初戦で敗退。高校最後の晴れ舞台で、強い気持ちを持つことの大切さを教えてくれた母に最高の恩返しができた。「日本一のチームのエースが私。世代ナンバーワンエースだと誇りたい」と秋本。五輪2大会連続で1次リーグ敗退に終わった日本女子の救世主になれるか。