スタンドに帝京大の赤い応援旗が何本も揺れる中、選手たちはグラウンド上で喜びを爆発させた。フランカーの青木主将は「このチームで日本一になれる自信があった」。大会史上2度目の4連覇。誇らしげに胸を張った。
今季の集大成となる試合で、持ち味を存分に発揮した。前半12分はゴール前のスクラムで相手の反則を誘うと、蹴り出さずに再開。FW陣で前進し、突破役の青木がトライを取り切った。逆転された直後の後半5分も、敵陣深くで力強く押し込み、ロックの本橋拓がインゴールでボールを押さえた。
「自分たちはフィジカルが強み。そこでしっかり勝てた」と本橋拓。課題だったスクラムは試合を通して優位に立ち、相手に攻撃の起点をつくらせない。ボールを持たれても、低く強烈なタックルではね返した。後半はトライを許さない圧倒的な内容。自慢のFW陣が、パワーで早大をねじ伏せた。
昨年11月の対抗戦では、早大に17―48と完敗。その屈辱が起爆剤となった。一つ一つのプレーの精度を見直し、試合を通してハードワークする意識も高まった。青木は「負けた現実を受け止め、努力し続けた結果。チームとして急ピッチで成長できた」。大学選手権決勝という最高の舞台で、巡ってきた再戦の機会。見事に雪辱を果たし、王者の誇りを取り戻した。