苫小牧の空手道場、志濤館に所属する田邉翔(澄川小)が第9回北海道小学生選抜大会(11月23日、北広島市)の男子5年個人形で優勝した。指導する金澤薫館長は「青空幼稚園の空手教室で出会い、入会した後には稽古中の休憩時間にも形をおさらいするほど熱心に続けてきた。本人の努力で勝ち取った優勝」と門下児童をたたえた。
出場した部門には道内の16人が出場し、田邉は「平安五段」を演じて予選を1位通過した。続く2回戦も「慈恩」を演武して勝ち抜け、勝者6人が競った決勝も同じ「慈恩」で堂々の最上位となり、初優勝を飾った。田邉は「リラックスして、大きく突きや蹴りを出すことができた」と勝因を振り返る。
2年当時から出場してきた大会で前回、前々回と3位となるなど、上位には食い込んできたが、今大会を前に「技の見せ方」を金澤館長の指導の下で探求。「力強さとスピードは群を抜くものがある。技をしっかり一つ一つ打ち出すように教えた。今回は上手に表現してくれた」と館長は語った。
道予選の部門覇者として来年2月の第4回全日本少年選抜大会(2月14日開幕、横浜市)に挑むことが決まった。これから稽古で演武に磨きをかけるつもりの田邉は「力が入り過ぎると、技の出し方が雑になってしまうことがある。丁寧に技を見せられるようにしていきたい」と向上を誓う。
金澤館長は「道大会優勝で満足するのではなく、スタートラインに立ったと思い、全国大会で活躍できる選手になってもらいたい」と育ちつつある克己心を支えていく考えだ。