極真苫小牧道場 伊藤、牧野親子が好成績 日韓の親善交流大会

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  • 2024年12月28日
韓国の大会優勝トロフィーを持ち帰った(左から)伊藤、牧野拓、牧野祐

  空手の極真苫小牧道場門下生3人が韓国で開かれた韓日親善交流大会(11月30日、全羅北道特別自治道)の各部門で活躍した。一般無差別で伊藤翼(17)=苫小牧工業高3年=が優勝。一般マスターズの型を牧野祐司(45)=苫小牧市役所=が制した上に組手は準優勝し、長男の拓実(8)=苫小牧緑小2年=が低学年組手で優勝。それぞれが思い出深いトロフィーを持ち帰った。

   極真会館の韓国勢がそろった国際大会に派遣基準に達した苫小牧勢一門が挑んで成果を上げた。伊藤は猛者ぞろいの一般無差別で真っ向勝負をかけ、1回戦で大柄な相手との体格差をものともせず、膝蹴りで沈め、準決勝は上段回し蹴り一閃(いっせん)の1本勝ち。決勝は同年代選手との対戦となり、圧力を横に避けつつ放ったパンチの連打で判定勝ちに持ち込んだ。

   「親に遠征費用を出してもらったからには負けられなかった」と伊藤ははらをくくっていた。「韓国の選手はタフで体が常に前に出てくる印象だった。自分にはフットワークの持ち技がまだ少ないので鍛錬していきたい」と、高校卒業後も続ける空手で精進する構えだ。

   父と子の同時活躍も苫小牧道場を活気づけている。牧野祐は息子の拓実の道場通いに付き添い続けて入門を決心し、11カ月ほどの稽古期間で今大会に臨んだ。「息子が頑張っている姿を見て、感銘を受けて自分も入門しました」。型では「緩急と止めをしっかりやることを心掛けた」のが奏功し、栄冠を飾った。

   組手では同い年でテコンドー7段の相手に挑んだが、善戦も及ばなかった。対戦相手とは試合外に友好を深めたのも思い出で「この試合を機に、もっと頑張りたいです」。稽古に一層励む気持ちを強くした。

   父と共に戦った牧野拓は組手部門の序盤戦から着実に決勝進出。優勝できた要因を「家で練習した回し中段蹴りがうまくいった。今度の日本の大会でも試してみたい」と元気いっぱいだ。

   大会に3人を率いた苫小牧道場指導者で北海道極真武道会の冨髙泰至会長(55)は「空手は言葉を越える。武道を通じて国際交流ができることをそれぞれが実感してくれた」と振り返った。

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