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  • 2024年12月26日

  人はよく見る景色やよく行く場所に特別感を持ちにくく、「あなたのまちの魅力は」と聞かれたら、有名な観光地や観光施設を頭に思い浮かべやすい。

   ところが近年、何気ないものを生かしてまちの魅力をつくろうという動きがみられる。例えば国土交通省の「かわまちづくり支援制度」は、まちを流れる河川をまちづくりに生かそうとする自治体や民間業者の計画や活動を支援する。評価できる内容なら登録の対象として財政支援などをしており、今年は1級河川鵡川の近くにカヌーの発着場を整備しようとするむかわ町の計画が登録された。

   やはり同省の事業で、居心地が良く、歩きたくなるまちづくりを推奨する「まちなかウォーカブル推進事業」もある。地域の公園や空き地にカフェや売店を設けたり街路を広場にしてベンチや花壇を置いたりする活動を法律、予算、税制面で支援するもので、全国380の自治体が活用している(6月末時点)。

   まちの魅力といえば、観光資源になり得る象徴的な建物を軸に考えがちだが、少子化で税収が先細りする今は方向性が変わってきた。今あるものに新たな価値を見いだし、従来にはなかった形で生かしていける。そんなユニークな感性や発想力が魅力創造の鍵となっている。(林)

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