得点力向上カギに スマイルジャパン、五輪最終予選へ

  • アイスホッケー, スポーツ
  • 2024年12月25日
〔日本―フランス〕フランス戦で1ゴール1アシストしたFW志賀紅音=12日、デンマーク(日本アイスホッケー連盟提供)

  アイスホッケー女子日本代表(スマイルジャパン)は今月、欧州であった4カ国対抗トーナメント(11~14日)に臨み、1勝2敗の3位で大会を終えた。ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪最終予選(来年2月6~9日、苫小牧市)を前にした最後の強化遠征には海外組も合流して実戦に臨んだ。飯塚祐司監督は帰国後に「完封負けは無かったので、そこは一定の評価をしたい」と語った。

   トーナメントは、デンマークで行われた。世界ランキング7位の日本は同13位のフランス、同11位のデンマーク、同10位のハンガリーとリーグ戦を展開。初戦のフランスには延長戦の末、2―3で敗れた後、デンマークには3―0で快勝したが、ハンガリーには1―2と再び延長負けを喫した。

   今大会敗れた2試合はいずれもシュート数では上回りながら、接戦に持ち込まれた。中でもフランスは五輪切符を懸けた最終予選でも戦うライバル。日本は2倍近いシュート34本を放ちながらFWの志賀紅音(スウェーデンリーグのルレオ)、三浦芽依(トヨタ)が挙げた2得点に終わった。

   攻め込む機会は多いものの、フランスの海外組で主軸を担うシューターに重要局面の一撃を喫するケースが散見し、全体的に底堅い守りに好機を阻まれた格好だ。飯塚監督も「(毎試合)3得点以上を目標にやってきたから、物足りないといえば物足りない」と率直に述べた。

   年明け3日から9日まで、苫小牧で行う代表合宿では「引き続き『得点力』を強化しつつ、フランス、ハンガリー戦で見えてきた課題を一つ一つ、つぶしていく」という。キルプレーでの失点など、細かな状況を省みながら、弱点の補強に努める考えだ。

   活躍が期待されていたFW床秦留可(スウェーデンリーグのリンシェーピング)が代表招集前に膝の故障を負ったため、現在は活動を離脱中。飯塚監督は「床の最終予選出場は厳しい」と明かした。最終予選でのセット編成は今回の欧州遠征を経て、「ほぼ固まりつつある」と指揮官は腹をくくっている。

   今大会2試合で守備に就いたGK増原海夕(道路建設)は「フランス戦では急にフリーになった選手がシュートを打ってきた印象」と語った。延長で負けた2試合について悔しさをにじませ「最後に勝ちきることを意識して今後の練習に取り組みたい」と決意を表した。

過去30日間の紙面が閲覧可能です。