5~8日、栃木県の日光霧降アイスアリーナを舞台に開かれた第92回全日本アイスホッケー選手権大会(A)は、栃木日光アイスバックスが2年連続4度目の栄冠に輝き、幕を閉じた。アジアリーグ、社会人、大学から国内強豪全12チームが出場し、激戦を繰り広げた。悲願のタイトル獲得を目指したレッドイーグルス北海道は、6大会ぶりの決勝進出を果たすも、決勝戦で惜敗し準優勝。ダイナックスは初戦で涙をのんだ。
大会2連覇を果たした栃木日光アイスバックス。地元の大きな声援に後押しされ、2回戦の釧路厚生社に大勝。準決勝では学生チームとして15大会ぶりにベスト4へ進んだ東洋大もはねのけ、2試合で18得点0失点と好調をキープし、決勝まで上り詰めた。
一方、レッドイーグルス北海道は2回戦で明治大に快勝。準決勝では東北フリーブレイズとのGWSに及ぶ接戦を制し、6大会ぶりの決勝の舞台を踏んだ。選手たちは一発真剣勝負のプレッシャーをはねのけ、「チャレンジャーの立場。明るい雰囲気で楽しみながらプレーしたい」と好調ぶりを語っていた。
決勝戦は押しては返す、点を取り合う展開に。開始からどちらも譲らず、シンプルかつスピーディーで1対1のバトルもほぼ互角。気迫のこもったプレーをぶつけ合った。一時、勝ち越し点となる2点目を挙げたレッドイーグルス北海道FW三田村は「全日本はしばらく準決勝敗退が続いていた。年齢的にも、決勝の場に立つ機会は少ないだろうと思いながらプレーした」と回顧。「(前半の)リーグ戦で、なかなか結果が振るわない中、今大会ではチームが一つになれたと思っている。これをきっかけにシーズン後半に向けて上昇していきたい」と話した。
古巣、バックスと決勝を戦い終えたFW牛来は「バックスで優勝(2019年)して以来の決勝の舞台で、雰囲気を楽しみながらプレーすることできた。得点力のあるラインメートと組んで、スコアリングチャンスをつくり、得点につなげられたが、自分たちがより多く点を取れれば―と責任は感じている」と振り返った。
主将のFW中島は、チームの好調さに手応えを感じていた。「全日本の悔しさは全日本でしか返せない」と語り、リベンジを胸に前へ進む。
激闘を演じながらも栄冠には届かなかったレッドイーグルス北海道。今週末の14、15両日には全日本で苦汁を飲まされた栃木日光アイスバックスとジャパンカップ(JC)を戦う。今後のアジアリーグ、JCのタイトル獲得に向け、今大会の糧がはばたくきっかけとなるか。
(スポーツ部 松原俊介)