苫小牧東高校の校舎北側にある屋外スケートリンクで、今年も製氷作業が始まった。教諭の田中渓也監督が、天候を見ながら早朝や深夜に1日3回程度、長さ20メートル以上のホースを使って水をまいている。今週中には基礎練習などができるほどに氷が張る予定だ。
同校アイスホッケー部を率いた父正靖さんからバトンを受け継ぐ形で2020年冬から製氷作業に取り組み、5年目となる田中監督。冷え込みが厳しくなり始めた今月3日、水が外へ漏れ出ない仕様となっているリンク内に水を張った。翌日夜、凍結していたことから、毎日数回に分けて水をまき、氷に厚みをつけている。
9日は早朝、夜、深夜と3度水をまいた。緑ケ丘の麓で辺りが静まりかえる中、「ザー」という放水の音だけが鳴り響く。「毎日、天気予報を見ながら、水まきのスケジュールを決めている」と田中監督。「多めにまくと厚みは出るが、ゆっくり凍りガタガタになる、少なめにまくと、すぐに凍って滑らかになるが、薄い」という性質、気温と相談しながら、経験を基にひたすら作業を続けた。
14日には帯広市で開かれる全道大会を控える。田中監督は「チームの状況も良くなっている」と話し、来月、苫小牧で開催されるインターハイ出場権獲得に向け、チームを先導する。