社会福祉法人緑星の里が運営する苫小牧市植苗の特別養護老人ホーム陽明園(尾野清一施設長)が、今月から始めた「リモート面会」が入所者やその家族などから好評だ。パソコンやタブレット端末を通じてテレビ電話のように会話できる。新型コロナウイルスの感染防止で面会制限が長期に及ぶ中、入所者が画面を通じて家族と久々に顔を合わせて笑顔を見せるなど効果を上げている。
同施設は新型コロナの感染拡大で道が緊急事態宣言を出した2月末ごろから、家族を含む外部からの面会を制限している。現在も継続中だが、担当者は「入所している方たちは今の状況を理解しているが、家族に会えない期間が長期化し、寂しそうな表情を見せることもある」と語る。
国の新型コロナウイルス感染症対策本部は、高齢者施設などで外部からのウイルス感染を防ぐため、面会制限とともにテレビ電話システムなどによる面会を推奨している。
陽明園はこの方針を受け、ビデオ会議アプリZoom(ズーム)を利用したリモート面会を導入。来園した家族らが施設内の会議室に用意されたパソコンを通じて、居室にいる入所者と会話ができる仕組みにした。
感染防止のため面会者は施設内に入る段階でマスク着用と手指消毒、検温を徹底。密集を避けるため1家族2人までの事前予約制とし、面会時間も10分以内とした。
担当者によると、入所者の多くが久しぶりに見る家族の姿に喜び、笑顔で語り合っているといい「今後も感染防止対策を進めながら運用したい」と話している。