道議会第2回定例会は23日も本会議を開いて一般質問を続行。鈴木直道知事は質疑の中で7月12日に開業するアイヌ文化発信拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(白老町)の新型コロナウイルス対策について、「ウポポイに対する感染症対策の取り組みをアピールしながら、教育(修学)旅行のさらなる誘致やファミリー層など新たなファン層の拡大につなげたい」との姿勢を示した。
宮下准一氏(自民党・道民会議)の一般質問に答えた。
知事は感染拡大の影響を受けて開業予定日が2度延期され、ようやく開業日が定まったウポポイについて、「アイヌの歴史や文化に対する幅広い理解の促進や創造発展につながる拠点」であり、「本道観光のけん引役として、北海道にとって掛け替えのない施設になる」と説明。
7月12日以降は「まずは道内を中心に、その後、道外や海外の方々への発信を高め、誘客を促進する」と強調。さらに「おもてなしの向上に努め、多くの方々に何度でも訪れていただけるように、国やアイヌ民族財団、地元自治体とも連携し、オール北海道で取り組んでいく」と意欲を示した。
また、知事は、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた、道内パチンコ店の取り組みについて、「多くの店舗で『3密』(密閉・密集・密接)防止などの取り組みが進められている」との認識を示した。山根理広氏(民主・道民連合)の一般質問に答えた。
山根氏はパチンコ店について「感染リスクが高いというのは、科学的根拠が薄いとの指摘もある。店舗によって換気の回数も多いし、天井も高い」と具体例を示し、道内のパチンコ業界の感染症対策について知事の認識をただした。
知事は「道内のパチンコ店の業界団体は、全国のガイドラインを踏まえ、6月1日に独自のガイドラインを策定している」と説明。さらに道が提唱する新しい生活様式「新北海道スタイル」の取り組みや、「北海道コロナ通知システム」の導入などを「各店舗に要請している」と述べた。
また、山根氏は、道内で感染拡大の「第3波」が起きた場合、「再びパチンコ店に休業要請をするのか」と迫った。知事は休業要請は「国の緊急事態宣言が再び発令され、道として最も高い警戒ステージへ移行する際に検討することになる」と指摘。「その際の感染状況や地域の状況などを総合的に慎重に判断していく」と述べた。